創業昭和5年のかんざし屋 3代目が綴る、かんざし屋としての日常のことなど


by kanzasi_yamaguchi
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櫛止め ってご存知ですか?

どのような職種にも、当事者にとっては当たり前になってしまっている
ことでも、その職業に携わっていなかったら、ほぼ目にする機会のない
(というか存在自体を知りえない)ものも多いのはないでしょうか。

今回はそんな商品をご紹介いたします。
その名も「櫛止め」といいます。
※2012年3月現在、赤い色のものはできなくなりました。現在は黒とゴールドのみです
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その名前の通り、櫛を止めるための補助金具なんですが、ではなぜ
このようなお品物ができたかというところからご説明させていただきます。

かつて昭和3~40年代には、成人式に新日本髪という髪型を結い
上げるのが流行った時代がありました。
髪の長さもセミロング程度あれば結い上げられる、簡易版の日本髪と
いった髪型です。
ちなみにこの髪型は、かの有名な美容家、山野愛子先生の考案された
ものということです。時代に合わせて、日本髪のスタイルを変化させた
ことで大流行したのですから、さすがという感じです。

で、ですね、この新日本髪に合わせて使われたのが、平打と櫛のセット
(通称平打セット)だったのです。
櫛を前髪の上に、平打を後ろの根の部分に挿すことで、ぐっと和装らしい
雰囲気になったもので、その当時を知る方は、注文が引きも切らずにあり
大変だったとおっしゃっておりました。

さて日本髪の櫛(前櫛)ってのはですね、本来でしたら櫛を寝かせ気味に
することで、頭頂部の髷に差し込んで安定させるものなんですが、それでは
櫛がよく見えない訳ですね。だからといって櫛を縦ぎみにすると、ポロッと
落ちてしまうということもあったそうです。そこで、この櫛止めを使うことで、
安定させることができるというわけです。

使い方は以下の通り。
櫛止めはこのような形のものです。頭の部分はカタカナの「エ」の字状の形を
しています。
f0151488_19282433.jpg


この頭の装着部分に、櫛の歯の部分をはめ込むだけです。
f0151488_19291973.jpg

そうすると、櫛の歯に対して直角の角度でもう一つ足ができることになります。
これで、本来櫛の歯を差し込む部分と、もう一つ櫛止めの足を差しこむ部分の
2か所で髪に挿すことができるようになり、きっちり安定するという訳です。

色は赤、黒、ゴールドの3色。塗りの赤い櫛には赤、塗りの黒い櫛には黒、
卵甲の櫛にはゴールドと色に合わせて使い分けます。
※赤い色のものはできなくなりました。現在は黒とゴールドのみです
その当時から(たぶん)お値段は変わっていないものと思いますから、
かなりお安いと思いますが、単なる補助金具だと思えば、このくらいの
値段なのかな、と思ったりもしています。
また作り直すとなると、現在の材料費やらの高騰で大変なことになっちゃう
のでは、とも思いますが…。

大きさ:たて8センチ、幅(頭部分)2.2センチ
販売価格525円(本体価格500円、消費税25円)

こちらの商品に関するお問い合わせは、
080-3470-2892 (店主ケイタイ)か
03-3700-2625 (店舗)まで、お気軽にどうぞ。

かんざし屋 有限会社山口のサイトはこちら
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by kanzasi_yamaguchi | 2008-10-10 19:46 | 櫛(前櫛)